SSブログ

おおかみこどもの雨と雪 [映画]

mei_1.jpg


家にいても暑いし、お友達とホテルの涼しいカフェで
ランチをしたあと映画でもっ・・・てことになりまして、
先日朝日新聞の”銀の街から”に沢木耕太郎
さんが書いてらした、これを見ることに。
夏休みだから、子供が多いかなぁなんて思いながら。
でも、大半は大人でした。

”人間の姿で暮らす“おおかみおとこ”に恋をした
大学生の花。
やがて妊娠し、雪の日に女の子、雨の日に男の子を産み
姉弟は雪、雨と名づけられる。
ところが、ある日突然“おおかみおとこ”が帰らぬ人に。
遺された花は子供たちを人間として育てるか、おおかみ
として育てるか悩み、山奥の古民家に移り住む。
日々成長する快活な雪と内気な雨。小学生になった2人にそれぞれ
転機が訪れる・・・・”

始まってすぐ、自然な流れにすっと気持ちが入っていき
ます。細かなところを書けないのがちょっと残念
ですけれど、印象に残ったところ、そしてネタバレに
ならないところだけちょっと。

雪の中を子供達二人が駆け回るシーンがあります。
それが本当に美しくて、愛らしくて。

主人公の花は、目の前の現実をちゃんと受け入れる。
逃げない。
いつも笑っていることを忘れない。
そして、愛がいっぱい。
子供を可愛がること、人を愛することはどんなことかを
ちゃんと知っている。

雪が、同級生の男の子に本当のことを話す場面が
私はとても好き。
男の子の優しさが身にしみる。
悲しみを知っている人は、人の心がよくわかるのね。
このときの、カーテンのゆらぎと影が、すばらしく美しい。

そして、空から落ちてくる雨粒のひとつひとつ自然が
とてもリアル。
窓辺の花たち、そして花瓶の輝き。
蜘蛛の巣にかかった雨のしずく。

子供達の感情が高まると、狼に変身して
駆け回ってしまうのだけれど、その子供達の
やることなすこと、なんて愛らしいこと。
思わず笑ってしまいます。
自分の子供達の小さいときと重なって。

そして、最後の子別れの場面。
花のエールに勇気をもらいます。
親という字は、木の上に立って見ると書くと
よく言われますが、まさにその通り。
飛び立っていく子供に、キモチはいっぱいあっても
その子の人生を遠くで応援する。
ここで、またボロボロ・・・・

終わった後は、お化粧も崩れてますが
どうでもよくなります(笑)

アニメ、子供向けと思ってしまいがちですが
子育て中のお母さんにも、われわれ年代にも
是非見ていただきたい作品でした。
声の宮崎あおいちゃんも、大沢たかおさんも
イメージを壊さず、自然に溶け込んでいました。
夏の暑い日、ちょっとお勧めの一本です。

写真はおおかみではなくて、我が家のめいちゃんのしっぽ^^
nice!(15) 

オーケストラ! [映画]

2009-05-11-1130-51.jpg


昼間はとても暑くて外出する気がしないので、映画のレイトショーに行ってきました。
しかも、近くで上映していないので、品川プリンスシネマまで。

次男坊が会社帰りにこれを見て、とても感動したというものですから・・・
“オーケストラ!”という、フランス映画です。

随分前から、渋谷のBunkamuraでは上映をしていたのですが、そちらが終わって
ようやく品川や、銀座での上映が始まりました。

かつての圧政時代のロシア。
主人公アンドレイは、ボリショイオーケストラの主席指揮者を務める正真正銘の天才指揮者。
しかし、ある事件をきっかけにその座を追いやられ、今やその劇場の掃除夫。
不遇の時代を、アル中になったりしながらも、そのかつての夢は捨てられません。

そんな彼が仕事中、一枚のパリからの公演依頼のFaxに、ふと目をとめたことから・・・
彼の忘れかけていた夢に、また火が付きます。
そのあとは、ドタバタあり、ちょっとありえないじゃないの・・という点はありますけれど
ちょっと目をつぶって、あちらのノリに乗ってみます(笑)

そうしてつくられた、寄せ集めのもとの元楽団員たち。
今は、それぞれ、自分の人生を歩んでいます。
しかも、もう、30年以上もたっていますから、いざ、パリへ行くといったってなかなかまとまった
行動なんかできません。
でも、ここからがすごい。
どんな手を使ってだって、行くといったら行く。やるといったらやる。
この演奏を実現させるための、アンドレイの奥さんの後押し、いいなぁ[わーい(嬉しい顔)]

そうして、本当にこの人たちが演奏しちゃえるんでしょうか・・・と不安に思わせながらも
ある、ひとつの過去の真実が、彼らの心を一つにする。
゛レナのために集まれ”
この一言で、バラバラだったやる気のない集団にあの日の夢が戻ってくる。

本当に自分にまたできるのだろうか・・・と、土壇場で迷う、アンドレイ。
不安を抱えながらも、もう、後戻りはできません。
そして、本番。
イングロリアス バスターズに出ていた、メラニー・ロランという女優さんが美しい[ぴかぴか(新しい)]
この女性の美しさで、映画の品が格段に上がります。

そして、最後のチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲。
これって、こんなにいい曲だったかしらと思わせるほど、ノってしまう。
そして、ノせられて、涙があふれてしまう。

あらすじにちょっと無理があって、絶対にリハなしの本番なんてありえないでしょうと
思うけれど、そんなことは、考えないでこの際、この感動に身を任せてしまいたいと思わせて
しまうほどの演奏でした。

終電での帰り道、頭の中ではこのヴァイオリン協奏曲が、何度も何度も響きわたり
高揚して帰ってきた素敵な夏の夜。
これから、地方のほうでも上映あるようです。チャンスがある方は騙されたと思って(笑)
見に行ってください。
クラシックから縁遠い私でも、ちょっとコンサート会場に足を運びたくなりましたから・・・

そして、音楽が人を一つにし、結びつけることの素晴らしさを改めて感じ、音楽を自由に演奏したり、
聞いたり、そのことを自由に語れる良い国、良い時代に生まれたことに改めて感謝です。

http://orchestra.gaga.ne.jp/

nice!(29)  コメント(17) 

SLUMDOG MILLIONAIRE スラムドッグ$ミリオネア [映画]

cozy little 12_1.jpg


アカデミー賞、最多8部門を受賞した映画、見てきました!

冒頭、子どもたちがスラム街を走り抜けるところから、もう、ムンバイの人と街に目は釘づけ。

原作はヴィカス・スワラップの“ぼくと1ルピーの神様”。 ストリートキッドの物語を、フル・モンティのサイモン・

ビュフォイが脚本にし、イギリス人のダニー・ボイル監督のもとスピーディな、魅力あふれるアツイ作品になりました。

ストーリーは、ムンバイの青年ジャマールがクイズミリオネアに出場。

スラム出身の彼がなぜ、最終問題にまで勝ち進むことができたのか…疑惑をもたれ、暴行まで受ける・・

あんまり詳しくは、書けませんが、笑いや涙、夢や希望、子供たちが生きていくことの厳しさ、宗教間や格差社会の

問題、子供たちへの虐待、謎に包まれた裏ビジネス等々・・・これらが、うごめくなか、ただひたすら

一つの想いを持ち続けるジャマールに運命の神様は微笑んでくれるのか??

この映画を見た後、ノーテンキに、桜にうつつを抜かす自分がちょっと恥ずかしくなりました。

子どもたちや、貧しい人、たくましい。

どの子どもたちも、自分に降りかかった困難を、逃げることなく、なんとかして生きていく。

災難も、運命も受け入れて、生きていく。

お兄ちゃんの最後の優しさに泣けます。

そして、女の子の笑顔の美しいこと・・・何度もフラッシュバックで出てくるこの笑顔の純粋さにまた涙。

悲惨さに涙が出るというより、生きていくそのけなげさが愛しくて涙が止まりませんでした。

目を覆うような場面もありましたが、それよりも、見終わった後、大切なものをありがとうという気持ちになります。

生きながら学んだ・・・それが彼の人生の答えです。

PS: ちょっと忠告。お昼は済ませてからこの映画見てね!(笑)

★★★★★ 五つです~。最後にボリウッドに欠かせない突拍子もないダンスもありますから席立たないでね。


nice!(35)  コメント(19) 

MAMMA MIA!  (ママ ミア) [映画]



行ってきました~。
大好きなミュージカルの映画版です!
ABBAは、1970年代後半に人気のあったスウェーデンのポップミュージックのグループ。
もしかしたら知らない世代のかたもいらっしゃるかもですが・・

3年程前にNYへ行ったとき、どうしてもこれは外せないと思い、日本から予約を取っていった
ミュージカル。全編に懐かしいABBAのヒットソングが入ります。

今回、オスカー女優でもあるメリル・ストリープが演じるということで、舞台とはイメージの違う
キャラなのでどうかな~と思いながら行きましたが・・・・・すっごく楽しめました☆彡

ストーリーは、全く舞台とおなじです。そのまま映画にした感じ。
エーゲ海に浮かぶギリシャの小島で、20歳のソフィ(アマンダ・セイフライド)は、結婚式を控えて
いました。

父親を知らず、母子家庭で育った彼女の願いは、結婚式で、まだ見ぬ父親と、バージンロードを
歩くこと・・

母親の日記を内緒で読んで、父親の可能性のある3人に手紙を出すのですが・・・

と ここまでで、あらすじの説明は終わりにしておきますね。
あとはとにかく見て踊っちゃってください。歌っちゃってください!

私とおなじABBA(B一つは本当は反対向き)育ちには、たまらなく懐かしい映画です。
もう、絶対歌っちゃいますよ~ you can dance~~~♪

途中に、女性みんなが島の中で歌って踊るシーンがあって、桟橋のところが
見せ場なんですが、もう、私も、できることならなかに入って踊っちゃいたいッ!!て
本気で思いこんじゃうほど楽しい!
もうひとつ、男の子たちだけで踊るシーン、これまた楽しい。

ブロードウェイで娘と見た時は、最後はみんな立って歌っちゃいました♪
娘を持つ親だったら、今回も感動して涙なしには見られない場面も。

そして最後の場面も美しい。
エーゲ海は、もう言うまでもなく美しいのだけれど、そこに、人の愛、悲しみ、人生の楽しさが
ごっちゃになってつまって、胸が熱くなります。

印象的なのは、島のホテルでの結婚式。アットホームで素敵!
あんな結婚式いいな~。そのあとの夜のパーティーシーンも好き。

そして、若い女の子達の、キャピキャピ姿も可愛いですが(我が娘とその友達にイメージ
重なります)特筆すべきは、自分の欲望に素直で忠実な大人の女の人たちの魅力的なこと。
愉快に、積極的に人生を謳歌し、年を重ねるってなんて魅力的で味わい深いものなのかと
また新たに元気をもらいました。
 
こちらの劇場は、今日初日だったので、結構混んでいて、何回も笑いは起きたのに、歌を
くちずさんだり体をリズムに合わせて…なんて言うのもなくて、皆さんにいたって静か。
私は、劇場中で、大合唱したい気分でした~。

とにかく幸せな気分になる一本です。も~~~★★★★★五つです~~~~~~~~
まだ、始まったばっかりですから是非・是非・是非です!!
(すみません、今行ってきたばっかりで興奮さめやらず)

舞台とおんなじとか、あの乗りにはどうも・・・とかいろいろ批評はあるようですが、とにかく
理屈抜きで、こういうのは一緒に楽しんじゃってスカッとするのが一番!

出演者、ほかには、三代目007の、ピアーズ・ブロスナン、ラブアクチュアリーで作家の役だった
コリン・ファーマさん達が出ています。007さんさえ、歌っちゃってます。

ちなみにNYでは、あとシカゴと美女と野獣を堪能しました。

cicago_1.jpg

シカゴのダンスは圧巻!美女と野獣は、言うまでもなく曲が素敵。
本場ミュージカルも、機会があったらぜひどうぞ!
映画や、舞台は、しばし私達を夢の世界へ連れて行ってくれます。


nice!(41)  コメント(34) 

おくりびと [映画]

9月半ばから上映していて、ずっと気になっていた映画
今日ついに見に行ってきました。
モントリオール世界映画祭でグランプリをとった、滝田洋二郎監督、
モッくん(本木雅弘)主演の”おくりびと”です。
日頃、日本映画はあまり映画館では見ないのですが、、、このごろ日本映画、頑張ってます。

納棺師ってどういう職業で、、、ということだけはテレビのCMで知っていましたが
あらすじなどは知らず、、、でも、ハンカチ必携でした。
ストーリーは、言ってしまうとがっくりなので、まだ見ていらっしゃらない人のため
なにもいいません。
私はお涙ちょうだいっていう映画はあまり好きではなく
そういう話題でも、さらりと書いてしかも笑わせながら、ホロッとさせる。。系が好きなんです。
まさにそれでした。

P8120003.JPG

人の生死、それから家族、仕事などについて改めて考えさせられ、
生きている喜びや、切なさ、そして身近な人たちをますます大事にしたくなる、
そんな映画です。
ちょっと前話題になった“最高の人生の見つけ方”も好きでしたが、
こっちのほうが、現実味があって身にしみるかな。

山崎努、吉行和子、笹野高史、余貴美子、などの脇役もよかった。
そして人の最後の旅立ちを手伝う一連の動作は、茶道に通じるような、流れるような美しさ。
久石譲さんの作られたチェロ曲もぴったり。。。
モッくん、いい役者さんになりましたね。
それから山崎さん演じる上司のお部屋が、なんとも雰囲気があって好きでした。

そして欠かせないのが、yamagatnさんの、山形の山々、白鳥、雪。。。
見終わった後、心が熱くなり、映画館が不思議な熱気に包まれました。
やるねー、日本映画!!って、肩を叩きたくなる感じです。
是非、機会があったら足を運んでみてください。
★4・5個です。(すみません、広末さんのファンの方、役にはあってましたけどね)

そうそう、泣くときは、ハンカチとかで、ごしごし目をこすっては
だめですよ。涙が流れるままにしておいて最後にそっと上から
抑えるようにすると、次の日目が腫れないそうです!(モデルさんがそう言ってました)
nice!(26)  コメント(25)